CCUチームからのお知らせ

トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対する疾患修飾薬の導入施設として日本循環器学会より認定されました

2025年6月、当院はトランスサイレチン型心アミロイドーシスに対する疾患修飾薬であるビンダケル®、ビンマック® (一般名タファミジスメグルミン)およびビヨンドラ® (一般名アコラミジス)の導入施設として、日本循環器学会より認定されました。

トランスサイレチンとは、全ての人が持つたんぱく質ですが、通常では4つのたんぱく質が1つになって安定しています。しかしながら加齢や遺伝変異などの理由により構造が不安定となり、バラバラになった蛋白はやがて長い繊維状の物質(アミロイド)へと変化します。アミロイドは一旦形成されると分解されにくく、それが臓器に沈着することで様々な障害が生じます。心筋にアミロイドが沈着し、心臓に障害が生じた場合には心アミロイドーシスとなります。心アミロイドーシスになると心臓の動きが悪くなったり、不整脈を生じたり、最終的には重度の心不全となり死亡に至ります。

アミロイドーシスの疾患修飾薬はトランスサイレチンを安定化させることでアミロイドが臓器に貯まるのを防ぐ薬剤です。当院ではこれまでも心アミロイドーシスに対する投薬加療はおこなっておりましたが、初回の疾患修飾薬導入の際には一旦、認定施設への紹介を要していました。日本循環器学会より認定を受けたことにより、今後は診断から治療まで一貫して当院での対応が可能となりました。心アミロイドーシスは冠動脈疾患や弁膜症、心房細動といった不整脈の合併例も多いため、疾患修飾薬の投与だけでなく、これらの合併疾患に対しても包括的に治療をおこなって参ります。

疑わしい症例の患者さんがいらっしゃいましたら、是非当院へのご紹介‧ご相談をお願いいたします。

トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR)について Neurology 2012;79より引用