担当医:副部長 南口 仁・医長 神田 貴史
当院では、不整脈患者さんに対し、常に新しい治療を提供しております。当科の不整脈治療の特徴は以下の通りです。
①心房細動治療~パルスフィールドアブレーションの導入~
当科では、高周波カテーテルアブレーションやクライオバルーンアブレーションに加えて、最新のパルスフィールドアブレーションを導入しました。常に新しい治療・診断デバイスを用いて心房細動に対する効果的な治療を行っております。

当科では、2024年10月心房細動アブレーション機器であるパルスフィールドアブレーションを導入し、初症例を同月実施致しました。
従来の方法では熱による焼灼や冷却により、心房細動の原因に対する治療を行ってきましたが、新たに使用可能となったこの機器では、電気パルスを用いることで、熱に依存しない心臓周囲の臓器への影響が少ない治療が可能で、心房細動を引き起こす原因部分に対してピンポイントにアブレーションすることができます。
当院では、今後、日本で使用可能となる3つのシステムを導入する予定で、患者様ごとに適した治療方法をご提案し、治療を行っていく予定です。

②麻酔科管理での全身麻酔アブレーション
アブレーション治療において、麻酔科の専門家が全身麻酔下での治療を管理し、患者さんに苦痛なく安全に治療を受けていただくことが可能です。疾患や治療法によりますが、患者さんの負担を最小限に抑えながら、効果的な治療を実現しています。
③難治性不整脈に対する治療
当科では難治性心房性不整脈(心房細動、心房頻拍)、心室性不整脈(心室性期外収縮・心室頻拍)や発作性上室頻拍(房室リエントリー性頻拍、WPW症候群など)に対しても積極的に治療を行っています。
難治性心房細動に対しては、最新の3Dマッピングシステム(2024年2月現在)を用いた不整脈基質の同定を行い、ケミカルアブレーションなどの複雑な治療も積極的に行っています。
心室性不整脈に対しては、心外膜アプローチを含めた治療も可能です。
発作性上室頻拍では安全性を第一にクライオカテーテルでの治療も積極的に行っています。
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心外膜アプローチ心室頻拍アブレーション | クライオカテーテル(Freezor Extra(Medtronic社製)) |
④ペースメーカ治療~リード抜去術を含めた包括的な治療~
当科は、一般に治療が非常に難しいとされる、ペースメーカリード抜去術について、本邦で有数の件数を施行しています。その多くは日本全国の他施設からの紹介例です。
心臓外科、麻酔科と協力し、患者さんの病態に合わせた治療を行っています。
また、ペースメーカ植込みについては、最新のデバイス(ペースメーカ、リードレスペースメーカ、ICD、CRT-D、CRT-P)を安全に植込み、その後のフォローについては生理検査技師、臨床工学技士と共にデバイス外来にて注意深くフォローを行っています。
また、2021年4月より失神外来(専門外来)を開設し、失神の診断、治療にも注力しています。
⑤経カテーテル的左心耳閉鎖術
当科では、心房細動に対する抗凝固療法が必要で、出血リスクが高い患者さんを対象に経カテーテル的左心耳閉鎖術も行っております。
脳外科、脳神経内科と連携し(ブレインハートセンター)、患者さんに合わせた最適な治療を提案できる体制を築いています。

当院では、これらの特長を活かし、安全で、有効な治療を、患者さん一人一人に合わせて相談し、安心して治療を受けていただけるよう努めております。


外来診察表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 | 神田 | 南口 | 南口 | ||
午後 | 神田 | ペースメーカ外来 失神外来 |
ペースメーカ外来 |
上記の外来枠以外でも不整脈診療に携わる医師が毎日外来を行っております。
詳しくは地域連携センターにお問い合わせください。