放射線治療科

診療科のご紹介

がんは、わが国における死亡原因の1位であり、患者数も年々増加しています。手術、化学療法と並んで、がん治療の3本柱のひとつである放射線治療は、ここ十数年で急激に進歩し、現在では、「体にやさしく、切らずに臓器を温存しつつ治す」治療として注目されています。我が国では約10年前までは、放射線治療を受けられる患者数はがん患者全体の約15%程度でしたが、このような需要に伴ってその患者数は増加しつつあり、欧米の50-60%に近づいていくと言われています。当科は、この放射線治療を専門的に行っている科です。

 上記のようにがん患者さんが年々増加し、放射線治療の需要が増している状況をふまえて、2009年4月に当科が新設されました。スタッフは、放射線治療専門医3名、放射線治療専門技師2名、放射線治療品質管理士1名、医学物理士2名、放射線療法看護認定看護師2名(2025年1月現在)と充実し、より安全でかつ高精度な治療を提供できる体制をとっております。

2025年1月6日より新規の放射線治療装置が稼動し、既存装置移設後には放射線治療装置は2台運用となります(2025年5月上旬予定)。それぞれの装置の特徴を活かしつつ、画像誘導放射線治療(IGRT:image guided radiation therapy)を併用して、強度変調放射線治療(IMRT/VMAT)は前立腺がんをはじめとする骨盤領域腫瘍、脳腫瘍、頭頸部腫瘍、腹部腫瘍などに対して、定位放射線治療は肺腫瘍、肝腫瘍、脳腫瘍などに対して治療を行います。

主な対象疾患

治療成績の向上・治療による合併症の軽減を目的として、各癌種の専門科と連携を密接にし、手術・化学療法・その他の治療と放射線治療を適切に組み合わせるようにしています。 臓器温存が可能でかつ手術と匹敵する治療成績が多く報告されている最新の高精度放射線治療はもちろんのこと、疼痛をはじめとする癌による苦痛を取り除くための緩和的放射線治療にも積極的に取り組んでいます。詳細は、診療実績を参照下さい。

専門外来と特殊治療

特殊治療  
強度変調放射線治療(IMRT/VMAT) 前立腺癌
脳腫瘍
骨盤領域(直腸、子宮癌、肛門癌など)
頚部癌・上腹部領域
定位放射線治療 肺癌(原発)
肝臓癌(原発・転移)
転移性脳腫瘍
放射線治療装置

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