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2022年1月、2022年2月、2022年3月、2022年4月、2022年5月、2022年6月、2022年7月、2022年8月、2022年9月、2022年10月、2022年11月、2022年12月、2023年1月、2023年2月、2023年3月、2023年4月、2023年5月、2023年6月、2023年7月、2023年8月、2023年9月、2023年10月、2023年11月、2023年12月、2024年1月、2024年2月、2024年3月、2024年4月、2024年5月、2024年6月、2024年7月、2024年8月、2024年9月、2024年10月
治療内容について
- da vinci Xi システムによる早期前立腺がん治療について
- 前立腺肥大症レーザー治療(蒸散術:CVP)について
- ボツリヌス毒素膀胱内注入療法について
- 経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)について
- 尿路結石症治療について
- 間質性膀胱炎に対するジムソ膀胱内注入療法について
- 精索静脈瘤に対するICGを用いた顕微鏡下低位結紮術について
診療科からのお知らせ
- 診療方針を更新しました。(2022年5月18日)
- 経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)のページを更新しました。(2021年8月31日)
- 間質性膀胱炎(ハンナ型)に対する膀胱内注入療法についてのページを公開いたしました。(2021年6月25日)
- ボツリヌス毒素膀胱内注入療法についてページを開始しました。(2020年9月29日)
- 腎移植の指定自立支援医療機関(更生医療)の指定を受けました。(2020年9月25日)
- 腎盂尿管移行部狭窄症に対するロボット支援下腎盂形成術(RAPP)を始めました。(2020年9月)
- 手術支援ロボット ダヴィンチ(da Vinci Xiシステム)を更新しました。(2019年9月)
- 前立腺肥大症に対して新たにレーザー治療(蒸散術)を開始しました。(2018年9月)
科の特色
当科では、泌尿器科全般(一般的な小児泌尿器科疾患も含む。腎移植手術は行っていませんが、維持期腎移植後外来管理は行っています。)の治療を行っています。
特に、1)泌尿器悪性腫瘍(腎がん、前立腺がん、膀胱がん、腎盂尿管がん、精巣腫瘍)に対する集学的治療、また 2)尿路結石症、男性不妊症、前立腺肥大症、尿管狭窄や先天性水腎症などの良性疾患の治療に特色を持って、積極的に取り組んでいます。
また、3)婦人泌尿器科領域の疾患に関しても、婦人科(女性骨盤底センター(ウロギネセンター))と協力し、尿失禁手術や骨盤臓器脱手術を施行しています。
以下に当科における特徴的な治療法をお示しします。●の疾患の治療詳細に関しては診療方針をご覧ください。
●腎がんに対しては、腫瘍径7㎝未満の場合はロボット支援下腎部分切除術(RAPN)を積極的に行っています。
●前立腺がんに対しては、患者さんの病状、ご希望に応じて幅広く治療法を選択できる体制(前立腺がん治療センター)を取っており、各種治療を行っています。手術治療ではロボット支援下前立腺全摘術(RALP)を積極的に行っています。放射線治療では、効果に優れ、副作用の少ないと言われている強度変調放射線治療(IMRT)を行っています。また、緑内障などの眼圧の高い患者さんでは、頭低位角度の少ない腹膜外アプローチロボット支援下前立腺全摘術(eRALP)も行っています。
●膀胱がんに対しては、筋層浸潤性の場合は基本的にはロボット支援下膀胱全摘除術(RARC)を行っています。また、尿路変向が回腸導管の場合は術後回復の早いロボット支援下体腔内尿路変向術(ICUD)で行います。
●腎盂尿管がんに対しては、遠隔転移がない場合は腹腔鏡下腎尿管全摘除術およびリンパ節郭清術を行っています。
●前立腺肥大症に対しては、従来の経尿道的前立腺切除術より出血の少ない接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)や経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)を積極的に行っています。
●尿路結石症に対しては、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、細径硬性尿管鏡および軟性尿管鏡とレーザー砕石装置を用いた経尿道的尿路結石砕石術(TUL)を積極的に行っています。(TULのご紹介)さらにサンゴ状結石などの大きな結石に対しては経皮的経尿道的同時手術(ECIRS)も行っています。(尿路結石症治療について)
●先天性水腎症(腎盂尿管移行部狭窄症)に対しては、腹腔鏡下腎盂形成術を行っていましたが、2020年9月よりロボット支援下腎盂形成術(RAPP)を開始しました。
〇男性不妊症に対しては、代表的な原因疾患である精索静脈瘤には臍部単孔式腹腔鏡下精索静脈瘤根治術や顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術を行っています。
〇無精子症症例に対しても、顕微鏡下精巣精子採取術(MD-TESE)、精路再建術なども数多く行っております。
〇重症腹圧性尿失禁の患者さんに対しては人工尿道括約筋埋込手術(AMS800®使用)を積極的に行なっています。
●過活動膀胱に対しては、生活指導、行動療法、薬物療法を中心に行っていますが、難治性に対しては2020年8月よりボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を開始しました。
〇間質性膀胱炎に対しては、薬物療法、食事指導、水圧拡張術などを行っています。
手術の待機期間
当科を受診されてから手術までにお待ちいただく期間の目安は、以下の通りです。
この情報はあくまで目安です。詳細は来院時にご相談させていただきます。(※急を要する手術については下記の待機期間の限りではありません。)
2025年1月現在
疾患 | 診断から手術までの期間 |
---|---|
尿路結石症手術 | 3~4週間 |
前立腺肥大症手術 | 3~4週間 |
腎悪性腫瘍腹腔鏡または開腹手術 | 3~4週間 |
腎がんロボット手術 | 4週間 |
前立腺がんロボット手術 | 4週間 |
膀胱がん内視鏡手術 | 3~4週間 |
膀胱がんロボット手術 | 4~5週間 |
紹介くださる先生方へ
大阪警察病院泌尿器科は、あらゆる泌尿器科疾患に対応します。泌尿器科専門診療が必要な患者さんだけではなく、泌尿器科医の意見を必要とする患者さんや、念のためと思われる患者さんも診察させていただきます。当然のことながら、的確な診断と迅速な経過報告を行います。また、経過報告に合わせて、症例によっては処方依頼、経過観察依頼を含めて積極的に逆紹介を行っています。
大阪警察病院泌尿器科の目指すところは、一言で言えば、安心できる医療です。このためには、十分な説明と同意の下に、患者さん個人に最適の医療を、最高の人材・技術とバックアップ体制のもとで、可及的に迅速に行うことであります。今後とも、特色を持って地域の中核的病院としての役割を果たして行きたいと考えています。
特色
当院は他府県からの受診される方もおられます。当科では泌尿器科疾患全般に積極的に対応しており、初診時から迅速で正確な診断・治療を目指しています。
当科の診療上の特色として、低侵襲手術と機能温存に努力してきています。低侵襲手術ということでは、腎、副腎に対する手術をほとんどの場合に体腔鏡(腹腔鏡、後腹膜鏡)下に手術を行っています。前立腺全摘除術においても、ロボット手術を導入しております。前立腺全摘除術、膀胱全摘除術では、適応のある患者さんには全例において勃起機能温存のために神経血管束温存手術を行っています(性機能温存)。また、適応症例に対しては、回腸新膀胱による尿路再建を行い、術後のQOLの向上に努めています(排尿機能温存)。
症例数
2023年実績では、年間の外来延べ患者数は約22,000人、1日平均約90人です。年間入院患者数約1,200人(新患)であり、手術件数は約800件(前立腺生検・ESWLを除く)、また、これ以外では体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は外来治療を中心に44件でした。
医療専門の方へ
○前立腺肥大症には、低侵襲手術として接触式前立腺レーザー治療(蒸散術:CVP)を導入しています。またホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)も導入しており、前立腺サイズが著明に大きい方(100cc~200cc)や抗凝固療法が中止困難な症例でも手術可能です。
○前立腺がんには、限局がんであればロボット支援下前立腺全摘除術または放射線外照射治療(IMRT)を行います。進行がんに対しては、ホルモン治療や新規アンドロゲン受容体標的薬、抗がん化学療法を行います。
○膀胱がんには、まず根治的内視鏡手術を行い、膀胱全摘除術では、ロボット支援下にて摘除を行います。適応症例に対して回腸新膀胱による尿路再建や勃起機能温存のための神経血管束温存手術を行い、術後のQOLの向上に努めています。回腸導管では、より低侵襲にロボット支援下に体腔内での再建も開始しました。
○腎細胞がんには、小腫瘍であれば可及的に腎保存を原則としています。ほとんどの症例にロボット支援下または腹腔鏡下手術で対応しています。補助療法として、症例により、分子標的薬(ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブなど)やニボルマブ(オプジーボ®)、イピリムマブ(ヤーボイ®)による治療を行っています。
○尿路結石治療は、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、経尿道的(TUL)あるいは経皮的内視鏡手術(PNL)を積極的に併用し、腎機能の温存を第一に考えて、確実で治療期間の短い治療戦略を立てています。結石原因精査も系統的に行っており、必要な症例では食事療法も含めた生活指導も実施しています。
○小児症例は、手術時期の遅れることのないように配慮し、1歳以下の乳児でも内視鏡手術も含め、積極的に治療しています。
男性不妊症には
男性不妊症には、まず、系統的に診断を下すようにし、診断に対応した治療を目指しています。生殖補助技術については、精巣内精子採取法を採用し、いち早く顕微鏡下精巣精子採取術を導入しています。近隣不妊クリニックとの提携で、顕微授精に供しており、多くの妊娠症例を経験しています。
専門外来について
大阪警察病院泌尿器科では、専門外来を設置しています。専門家が診療に当たります。すべて一般外来からの予約制で行っています。
不妊・男性機能外来:木曜日午後(予約制、電話で可)
週により変更があるので必ず電話で問い合わせをして下さい。
腹腔鏡手術(体腔鏡下手術)に対する取り組みの歴史
腹腔鏡下手術の導入の初期から多種の泌尿器科手術に対して、いち早く対応してきました。
初回施行日 | 術式 | 病名 |
---|---|---|
1993年10月 | 腹腔鏡下骨盤リンパ節郭清術 | 前立腺がん |
1994年10月 | 腹腔鏡下左腎摘除術 | 左水腎症 |
1995年10月 | 腹腔鏡下右副腎摘除術 | 右副腎腫瘍(アルドステロン症) |
1998年10月 | 腹腔鏡下右停留精巣固定術 | 右停留精巣 |
1999年10月 | 腹腔鏡下右副腎摘除術 | 右副腎腫瘍(褐色細胞腫) |
2000年1月 | 腹腔鏡下根治的左腎全摘除術 | 左腎がん |
2003年7月 | 後腹膜鏡下左腎尿管全摘除術 | 左尿管がん |
2005年4月 | 腹腔鏡下腎盂形成術 | 左腎盂尿管移行部狭窄、左水腎症 |
2006年1月 | 後腹膜鏡下左腎部分切除術 | 左腎がん |
2006年6月 | 後腹膜鏡下左腎摘除術 | 馬蹄腎、左水腎症 |
2006年9月 | 左尿管剥離術 | 後腹膜線維症、左尿管狭窄 |
2010年12月 | 尿膜管膿瘍摘除術 | 尿膜管膿瘍 |
2012年11月 | 腹腔鏡下前立腺摘除術 | 前立腺がん |
2013年11月 | ロボット支援下前立腺摘除術 | 前立腺がん |
2018年2月 | ロボット支援下腎部分切除術 | 腎がん |
2018年4月 | ロボット支援下膀胱全摘除術 | 膀胱がん |
2019年7月 | ロボット支援下仙骨腟固定術 | 骨盤臓器脱 |
2020年5月 | ロボット支援下体腔内尿路変向術(回腸導管) | 膀胱がん |
2020年9月 | ロボット支援下腎盂形成術 | 腎盂尿管移行部狭窄症 |
2021年2月 | ロボット支援下体腔内尿路変向術(回腸利用新膀胱) | 膀胱がん |
2022年4月 | ロボット支援下腎尿管全摘除術 | 腎盂尿管がん |
2022年6月 | ロボット支援下副腎摘除術 | 副腎腫瘍 |
2022年6月
当科在籍の腹腔鏡手術認定医の実績から抜粋
対象疾患
臓器別では、副腎・腎・尿管・膀胱・前立腺・尿道・陰茎・陰嚢・精巣・精巣上体・精嚢に関わる悪性腫瘍、良性腫瘍、感染症、結石、炎症を診断・治療しています。機能障害としては、排尿機能、性機能、生殖機能、男性更年期障害も診療しています。
診療科からのお知らせ
泌尿器科指導医4名、専門医6名、腹腔鏡手術認定医3名、ロボット支援手術プロクター3名、性機能専門医1名、生殖医療専門医1名、内分泌外科専門医1名、透析医学会専門医1名が診療に当たっています。
カンファレンス・勉強会など
- 泌尿器科抄読会:毎週火曜午前7時45分から、泌尿器科外来で行っています。
- 泌尿器科入院カンファレンス:毎週火曜午後4時から、泌尿器科外来で行っています。
- 泌尿器科外来レントゲンカンファレンス:毎週木曜午後4時から、泌尿器科外来で行っています。
- 前立腺カンファレンス:泌尿器科、放射線治療科、病理診断科と合同カンファレンスを行い、主に前立腺がんに対する治療方針を診療科横断的、多角的に検討、決定しています。