症例報告(1)
症例概要
- もともと左総腸骨動脈の完全閉塞に対して、大腿-大腿動脈バイパス術を施行されていた腹部大動脈瘤の患者さんです。
- バイパス血管の閉塞および左浅大腿動脈の急性閉塞に対して、腹部ステントグラフト内挿術と血栓摘除術をしました。
- 心臓血管外科と循環器科で協力した当院ならではのハイブリッド手術であり、左総腸骨動脈を開通させて手術を行うことができました。
当院医師によるシェーマ
CT&血管造影
症例報告(2)
80歳代の男性、突然の足の痛みで来院されました。
CTで血栓での閉塞が疑われました。通常ですとふとももを切開をして血栓をとる治療になりますが、今回は最新式の血栓吸引カテーテルで血栓の取り除きを行いました。
血栓が多量に取得されて血流改善し、足は救われました。
患者様は、頑張って現在リハビリ中です。突然の血栓閉塞は足の切断に至る病気です。
この病気を”切らずにカテーテルのみで治療”は革新的な治療と考えます。
ちなみにこちらの器具は限られた施設のみでの使用になります。
症例報告(3)
透析治療を受けられている70歳代の男性、安静時の足の痛みで来院されました。
CT検査と血管造影で大腿動脈に石灰化で充填された閉塞病変を認めました。今回は最新式の石灰を削る器具でカテーテル治療を行い、石灰の取り除きに成功しました。治療後は自覚症状血流改善し、足は救われました。患者様は頑張って現在リハビリ中です。
血管石灰化はカテーテル治療において難しい病変です。通常のバルーン広げるのみの治療では再発率が高いです。その際、代替え治療の外科治療も検討しますが、今回使用した新しい【削る器具】は、『切らずにカテーテルのみで治療』を完結させる革新的な治療器具と考えます。
ちなみにこちらの器具は限られた施設のみで大腿動脈のみに使用可能となります。
症例報告(4)
症例概要
みなさん、大動脈瘤という病気をご存じでしょうか?大動脈瘤は体の中で最も太い血管である動脈に瘤(コブ)ができてしまう病気で、破裂してしまうと致死率は非常に高く、おそろしい病気です。治療方法にはお腹または胸を切って治療する方法とカテーテルで治療する方法があります。
今回の患者様は、通常であればお腹を切って治療しなければいけないほど難しい方でしたが、当院の倉谷医師と飯田医師の卓越した技術と知識により、カテーテルでの治療で完遂できた1例を報告します。
患者様は74歳男性で以前にお腹を切って手術をされたことがあります。大動脈瘤の種類は、腹部の主要血管(腹腔動脈・上腸間膜動脈・左右腎動脈)を巻き込む形の瘤(胸腹部大動脈瘤)でした。通常であればお腹を切って人工血管に変える治療方法が選択されるところですが、一度お腹を切っていることに加えて、患者さんがもうお腹は切ってほしくないとの強い希望もあり、今回はカテーテル治療をすることになりました。そけいぶ(足の付け根)と両方の鎖骨の下を切開して、そこからカテーテルを用いて治療を行いました。手術後の検査では、主要血管の血流を維持した上で大動脈瘤内に血流がいかなくなっており、お腹を開けることなく困難な手術を完遂することができました。
大動脈・血管センターでは患者さんに最先端・最良の治療を受けていただけるようにチーム一丸となって頑張ってまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
大動脈・血管センターでは他施設からの見学(医師・診療放射線技師・臨床工学技士)も随時受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
連絡先:osaka.vac@gmail.com
CT画像