消化器外科

診療科のご紹介

患者さん向けのページはこちら

 各種癌に対する定型手術は言うに及ばず、高度進行癌に対しても拡大手術、化学療法や放射線治療を含む集学的治療を積極的に行っています。多職種が参加するカンファレンスで、個々の患者さんの治療方針を検討し、チームで最善の医療を提供できるように努めています。当科では特に低侵襲手術に力を入れており、胆石や虫垂炎などの良性疾患のみならず胃癌や大腸癌、肝癌、膵癌などにおいても積極的に腹腔鏡手術を行っています。

 また従来の腹腔鏡手術では、お臍の傷以外にも約1cmの傷がいくつか必要でした。近年、この1cm程の傷も置かずに、お臍の傷1箇所のみから全ての手術操作を腹腔鏡で行う単孔式腹腔鏡手術が、更なる低侵襲治療として注目されています。創痕は臍の中に隠れてしますのでほとんど目立たず疼痛も軽度です。単孔式腹腔鏡手術では通常の腹腔鏡手術よりも高度の技術が要求されますが、当院では腹腔鏡手術の豊富な経験を生かし先駆けて単孔式腹腔鏡手術を導入しています。当初は、胆石、急性虫垂炎を対象としていましたが、現在では病状によっては胃癌、大腸癌、鼠径ヘルニアの治療においても安全に単孔式腹腔鏡手術を行うことが可能となっています。

主な対象疾患

各種消化器癌、ヘルニアなどの良性疾患などに対する外科的治療を行っています。また急性胆嚢炎、急性虫垂炎、腸閉塞などの救急疾患に対する緊急手術も行っています。

各専門疾患  
胃・食道 中原(月曜日)、村上(木曜日)、大森(金曜日)
肝臓・胆嚢・膵臓 髙市(火曜日)、浅岡(水曜日)、大橋(金曜日)
大腸 石川(月曜日)、竹政(火曜日)、高橋(火曜日)、朴(水曜日)、岩本(木曜日)

 

ダビンチ5を用いた手術

 当院では、2025年7月19日土曜日、同年7月に新たに発売された”ダビンチ5”を導入いたしました。このロボットは米国製の手術支援ロボットで、第4世代の旧モデルである「ダビンチXi」の次世代モデルになります。

ダビンチ5の特徴    
  • 手術精度の向上ダビンチ5専用鉗子を用いた「フォースフィードバック機能」により、よりリアルな触覚で、術者の操作精度の向上が見込まれます。
  • 効率的な低侵襲手術の実現150以上の設計みなおしによってより効率的なワークフローを実現し、術者の自律性が高まり、手術時間の短縮とラーニングカーブの早期向上が期待されます。* 
  • AIによる術後評価と改善手術データの解析により、術後の経過や治療方針の最適化が可能となります。
 
  *第4世代モデルダビンチXiとの比較


中之島クロスのトレーニングセンターにて
(2025.07.01)

ダビンチ5の搬入時の様子
(2025.07.19)

ダビンチ5導入リハーサル
(2025.07.21)


ダビンチ5を用いた直腸がん初手術
(2025.07.22)

ダビンチ5を用いた直腸がん初手術
(2025.07.22)

ダビンチ5を用いた胃がん初手術
(2025.07.23)

ダビンチSPを用いた手術

 当院では、2025年1月よりダビンチSPを1台新たに導入しており、上部、下部消化管の悪性腫瘍に対する手術を行っております。

上部消化管
  • 当院は2009年に世界初の単孔式腹腔鏡下胃切除を実施して以降、単孔式手術の先駆けとして知られております。
  • 今年の1月には、日本初(おそらく世界初)となる追加ポートを一切使用せず、純粋に1つの傷のみで行うダビンチSPによるPure単孔式ロボット胃切除術を実施しております。
  • 1つの傷にこだわる理由は、患者様への負担を最小限に抑えたいという想いからです。外科医は、自分が行いやすい手術ではなく、患者様にとって優しい手術を提供すべきであるという信念を持っております。
下部消化管
  • 2024年12月にDa Vinci S(Single Port=単項式)サージカルシステムを導入しました。単項式手術はへそ内の創ですべての手術操作を完了する術式で、整容性と低侵襲性に極めて優れています。