膝関節疾患に対する治療について
- 急性期の炎症反応が強い時には、しばらく安静にして、痛み止めの薬(消炎鎮痛剤)を使い、アイシングをして炎症を軽減させます。
- 急性期の疼痛が軽減すれば、膝関節可動域訓練や大腿四頭筋筋力強化練習、ヒアルロン酸の関節注射等の保存治療を行います。
- 内側の関節軟骨がすり減っても外側の軟骨と外側半月が残っている場合には、O脚を矯正する高位脛骨骨きり術や内側だけの人工膝関節置換術を行います。
- 関節軟骨が消失して疼痛が強い時には人工膝関節置換術を行います。人工膝関節置換術では8~12cmの皮切で筋肉への侵襲が少ない小侵襲(MIS)手術を導入しています。
1.慢性疾患
①変形性膝関節症
膝関節の軟骨が減ってくると、関節可動域が悪くなり、膝関節の疼痛が出現してきます。初期の場合には運動療法や関節注射等の保存治療を行い、O脚変形があり外側の軟骨や半月が残っている場合には、単関節人工膝関節置換術の適応となります。関節変形が進行して内側と外側の関節軟骨がすり減った場合には、人工膝関節全置換術を行います。
②膝関節部骨壊死
大腿骨の特に膝の内側によくみられる病気で、骨の一部が死んでしまいます(壊死を起こします)。壊死の範囲が小さい場合には運動療法や関節注射等の保存治療を行います。壊死している部分が大きく変形が強い場合には、単関節型人工膝関節や人工膝関節全置換術の適応となります。
2.外傷
大腿骨顆部骨折、脛骨高原骨折
関節内骨折で骨折部の転位があれば、手術治療によって整復固定術が必要です。骨折部を整復してプレートやスクリューによって固定します。