お知らせ

国内初*となる「ダビンチSP」を用いた、胸に傷をつけずに行う超低侵襲の食道がん手術を実施しました

2025.12.29

消化器外科

令和7年11月26日(水)、当院では国内初*となる手術支援ロボット「ダビンチSP」を用いた縦隔鏡下食道がん手術を、消化器外科 大森 健 主任部長の執刀により実施しました。
*当院調べ

本手術は、頸部に約2.5cm、腹部に1か所の小切開のみで行うことができ、胸部への切開を必要としません。胸に傷をつけないことから、従来の手術と比べて術後の痛みが少なく、呼吸機能への負担も軽減され、回復が早いことが特徴です。

今回導入した「ダビンチSP」を用いることで、縦隔内の複雑な操作をより正確に行うことが可能となり、患者さんにとって、より安全性の高い手術が実現しました。本症例では、術後の嗄声(声がかれる症状)や反回神経麻痺、誤嚥性肺炎は認められず、術後の痛みも軽度で、術後1週間で痛みは消失しています。

現在、当院の「先端ロボット手術センター」では、従来より稼働しているダビンチXiに加え、今回使用したダビンチSP、さらに7月に導入したダビンチ5、良性疾患にも適応可能な「Senhance」、人工膝関節手術用の「Mako System」の計5台の手術支援ロボットが稼働しており、多様な疾患・症例に対して積極的にロボット手術を行っています。

今後も症例を積み重ねることで手技の標準化と安全性の向上を図り、術後合併症の低減や早期社会復帰を支援し、患者さんの生活の質(QOL)向上に努めてまいります。


ダビンチSPと大森主任部長

ダビンチSP導入手術室