お知らせ

第3回 学会報告記を公開しました (AHA scientific session 2025)

2025.11.27

循環器内科

循環器内科 松村 未紀子 先生よりAHA scientific session 2025の報告記が届きました。是非ご覧ください!

 循環器内科 松村未紀子です。この度米国ルイジアナ州ニューオーリンズで開催されたAHA scientific session 2025に参加する機会をいただきました。循環器学会の中では最大規模の本場アメリカでの会に初めて参加させていただきました。世界中の専門医や研究者が集まり最先端の知見と技術について活発な議論が交わされる本学会はあらたなエビデンスを生み出す重要な場です。非常に光栄なことであり、今回この経験を報告する機会をいただきました。
 
 場所はアメリカの南側に位置しておりますニューオーリンズになります。ディズニー映画やディズニーランドの中にもその街並みをモチーフにした作品が数多くあり非常に歴史と文化を感じる街でした。18世紀初頭にフランス領であった歴史からもアイアンバルコニーや石畳の通り、カラフルな彩りが非常に印象的でした。ジャズや絵画といった芸術を好む空気がいたるところに感じられ、路面バスや西アフリカの文化を取り入れたブードゥー(精霊信仰)を模った土産物店もたくさん目にすることができました。陽気な空気に包まれており日本との違い、風土をしっかりと感じることができました。
 
 また学会会場までの間にもミシシッピ川を見ながらのどかな天候と異国の雰囲気を感じることができました。最新の知見に触れ多くの刺激を受けることができたことに感謝申し上げます。飯田部長、南口副部長、吉井先生、渋谷先生と松村の5人で今回は参加いたしました。

 
   

1. 往路

 11月7日の早朝に伊丹空港出発しました。伊丹空港→羽田空港→ヒューストン空港→ニューオーリンズ空港と飛行機を3回乗り継ぎ、計17 時間のフライトで無事ニューオーリンズに到着しました。やや肌寒さはありますが空気はカラッとしており天気もよかったです。

ヒューストン空港 ニューオーリンズ空港に到着
初日の夕食 名物カクテルハリケーン
魚介類が美味しかったです

2. 学会会場

 学会会場は、ミシシッピ川の下流沿いのRiver Walk Outletのすぐ近くの アーネストN.モリアルConvention Centerでした。
ホテルから歩いて行くことができて川を見ながら向かいました。会場は横に広く会場のブースもたくさんありアメリカの規模感を肌で感じました。
企業ブースもたくさんのものが並んでおり今勢いのある新しい薬関係が多い印象でした。AHAならではのACLS関連のものも数多く展示されていました。

3.  Moderated ePoster Session

 1日目は渋谷先生と吉井先生の発表でした。Moderated e-posterのOralセッションであり2人とも緊張しているのが伝わってきました。渋谷先生はデバイスとアブレーション治療による今後の可能性を、吉井先生は低ADLの包括的下肢虚血患者様における予後予測因子について発表されていました。海外ではよくあるのか発表者が来ていなかったり時間をオーバーしてしまうといったことも見られました笑。日本との文化の違いを改めて感じました。お2人とも規定時間内でしっかりと大きな声で発表をされていて非常に見ていて気持ちよかったです。他の発表内容や質疑応答からもさまざまな意見を吸収することで今後の研究への明確な課題などがわかるようになったとのことでした。

発表の様子(吉井先生)
発表の様子(渋谷先生)

 その後は、すぐにMain会場へ行きOCVC(大阪循環器カンファレンス)の外海先生のOPTIMA-AFのLate Breakingの発表を聞きに行きました。 当院のOBである先生の素晴らしい発表を聞いて非常に感銘を受けました。 他にもLAAO (左心耳閉鎖術)での抗血栓療法での比較や同様の抗凝固薬と抗血小板の併用についての発表がありました。最新の知見を得られたとともに、どういう着眼点がこれからのClinical Questionにつながり形にしていけるかというのも考えることができてとても勉強になりました。

4. 学会参加2日目

 学会2日目は自分のModerate e- posterセッションでした。同セッション内ではさまざまな話題の発表がされており EV-ICDの全米データの解析やブタを使った遺伝子解析での心電図の変化、AIを用いた心電図解析、ペースメーカと重粒子線の影響など非常に多岐にわたっていました。Micraというリードレスペースメーカの単施設での比較検討を発表させていただきました。ESCとはまた違った緊張感で半分頭が真っ白になってしまいましたがなんとかやり遂げることができました。質問を座長の方からしていただいたのですがなかなかきちんと質問を理解できず満足な回答ができず、この点が心残りでした。さらに精進が必要であると痛感しました。今後のためにより一層深いテーマへの考察と回答を導き出せる語学力を磨いていきたいと思いました。

5. 学会外の活動

 2日目の夜にOCVCの外海先生、坂田教授、OPTIMA-AFに関わった先生方とお話をさせていただく機会を得ました。大きなStudyをやるにあたりさまざまな見えないところで障壁があったというお話がありたくさんの努力と人が関わって一つの結果を残せるのであるということを教えていただけました。大阪大学の教授からもさらなる我々世代の活躍を鼓舞していただき、部長達も海外発表をこれからさらにしていくようにとの激励を受けておられました。大学の先生や前部長の樋口先生もお会いできて楽しい時間を過ごせました。

大阪大学の坂田教授や、当院元部長の樋口先生などOCVC関連の方々が集まり、楽しいお食事の時間をいただきました。

Café du Monde 
名物のベニエとカフェオレ

粉砂糖のたっぷりかかったベニエとカフェオレをいただきました。 案の定粉まみれになりました。

最終日には皆でステーキの美味しいお店に行きました。お腹いっぱいのお肉を食べて非常に元気が出ました。

※旅のハプニングとしてアメリカの政府閉鎖(government shutdown)が長引いており管制塔の人員不足による飛行機の遅延が著明でした。直前に乗り継ぎの便を変更してなんとか予定日の夜に大阪に滑り込んで帰れるようにしてもらいました。最後の羽田→関西空港→JR移動でなんとか23時ごろに家に帰り着いた、、、というところでした。

※:government shutdown: 議会で本予算の予算案(あるいは暫定予算)の成立が難航することで、政府機関の一部または全部が一時的に閉鎖される状態こと

6. まとめ

 今回、AHA Scientific session2025への参加を通じて、最先端の循環器診療の話題や今後の方向性について、数多くの新たな知見を得ることができました。また今年は様々な海外学会・国内学会に行かせていただきました。送り出してくださった皆様に感謝するばかりです。日々の診療や研究活動に対する新たな視点やモチベーションを得ることができました。多くの刺激を受けるとともに、自身の今後のキャリアにおいて目指すべき方向性についても今一度考える機会になりました。
 この経験を活かし、今後さらに日常臨床に還元できるよう、日常診療や研究活動に努めていきたいと思います。
今回および前回のESCにおいても2度もこのような素晴らしい機会をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。
今後の皆様の診療に貢献できますよう精進させていただきます。